恋をすると弱くなる
僕は恋をするのをためらっています。
それは恋をして弱くなる自分がイヤだからです。
恋をすると強くなる人と弱くなる人がいると思っています。
僕は恋をすると弱くなる自分を知っています。
だから誰かに心を奪われることを恐れているのです。
どう弱くなるかというと、心が不安定になり、いままで前向きに取り組めていたことに挫けそうになったり、いつもは封印している我が儘な自分が現れたりするなどです。
この気持ちを例えるなら、いつもは二本足でしっかりと安定して立っていられたのに、恋をした途端、急に体が傾き、となりで誰かが支えてくれないと倒れちゃうような感じ。
「誰か、早く支えて!」と心が叫んでいるような感じです。
その正体を僕は知っています。
それは「甘え」です。
昨年度、職場に好きな人がいました。
初めて見た瞬間から好きになってしまって、その人を知れば知るほど好きになる、稀な恋でした。
その人と一緒に仕事をして、支えてもらったり、ときには僕が力になったりして、この人と一緒にいたいな、もっと同じ時間を共有したいな、と心から思える人でした。
その人に「実は、結婚を考えている彼女がいるんだ」と告げられたときには心がざわつき、不自然な笑顔で「そうなんだ!」と答えるのが精一杯で、叶わないと知った恋を受け入れるには苦痛を伴ったことを覚えています。
しばらく忘れていた感情だったけど、今日、久しぶりに彼のことを見たとき、やっぱり好きだなって感じて、胸が苦しくなって、この感情を思い出しました。