小さな足跡

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ゲイになる理由

「どうして自分はゲイになったのか」

ゲイならだれでも考えたことがあると思います。

先天的なものなのか、あるいは家庭環境などの後天的な影響によるものなのか。

先日リアルをした人の話です。

その人は家庭環境が少し複雑で、小さい頃から寂しい思いをしてきたみたいで、「こんな遺伝子残さないほうがいい」と言っていました。

ぼくはその言葉に少し驚いたものの、どこか共感を覚えました。

ぼくは専業主婦の母と公務員の父の元に生まれました。

金銭的に困窮したり、どちらかが浮気をしたりといったことが無かっただけ恵まれているとは思いますが、父と母の間には些細な喧嘩が絶えず、ぼくは20年以上もの間、二人の喧嘩の声で毎朝目を覚ましていました。

母はとても不器用だけれども芯が強く、子どもにはとても愛情を注いでくれました。

いっぽう父は、仕事のプレッシャーもあったかもしれないけど、仕事から帰ると不機嫌なことが多く、そのイライラを家族に対して発散するような人でした。子どもに対してもあまり関心のあるような人でもなかったです。

ぼくはそんな父のことを受け入れられず、三年前に母が他界してからはなおさら、口をきかなくなりました。

ぼくがゲイなのは「子どもを残してはいけない」という理由ではないにせよ、「男の人から愛されたい」という気持ちが心の中にあることをありありと実感しており、もし、父が愛情深い人だったらどうだったんだろうと、ふと頭を過ることがあります。

好きな人ができると、この「愛されたい」という気持ちが渦のように押し寄せてきて、とても苦しくなります。だから好きになることはちょっと辛いんです。ぼくがゲイ活動をしていなかった理由はこういうところもあるんだけど、この辛さと向き合った先に何があるのか、そろそろ見てみたいと思います。

色々な理由はあるにせよ、ゲイとして生きる以上は、後悔のない人生を送りたいもの。