小さな足跡

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しまなみ誰そ彼 4巻

7/19に、しまなみ誰そ彼4巻が発売されました。

勝手に3巻で完結かと思っていましたが、偶然ネットで「4巻発売」の情報が目に飛び込んできました。でもどこで区切ってもほんとうに美しい漫画です。

4巻もさっそく読みましたが、今までで一番胸に熱く迫ってくる巻でした。(最終巻なので当たり前か)

LGBTQの多様な性の登場人物に加え、カミングアウト、アウティング、看取りの問題など、LGBTQにまつわる様々な要素を入れ込んでいるにもかかわらず、物語として実にうまくまとまってる。読み物としても、LGBTQの教科書としても、非常に良い漫画だと感じました。いずれ多様な性を学ぶ題材として教科書に載るんじゃないかな?と思っています。

多様なセクシャリティが登場するので誰のどの場面に共感するかは人それぞれだと思いますが、個人的には、今まであまりスポットが当てられてこなかった“チャイコさん”という、老人ゲイの登場人物が印象的でした。

主人公の“たすくくん”は高校生で、まだ同性が好きなことに揺れ動いている段階なのですが、チャイコさんは、ゲイでいることを受け入れて長い人生を歩んできた。そんなチャイコさんの前に立ちはだかる問題、それがパートナーの看取り。

たすくくんの問題は、「わかるわかる!自分もそうだったよ〜」と共感するのですが、チャイコさんの問題は、「自分ならどうするだろう」と考えさせられました。

その描き方が実に美しいので、少しでも興味のある方は読んでみることを強くおすすめします。

ある政治家の、「LGBTは支援されすぎでは?」「生産性がない」などの発言が取り沙汰されていますが、僕個人としては別に怒りはありません。別にその人がなにを言おうと、多様性を受け入れていこうとする流れを止めることはできないと確信しているからです。

その多様性を認めた先に、しまなみ誰そ彼のような世界観を多くの人が共有できる世の中になることを僕は願っています。

あっ、ちなみに、僕は本屋で買うにはちょっと勇気がいる本や漫画を読むときは、kindleを使っています。